先日、とても嬉しい出来事がありました。
釧路の遠方から当院へ通院されていた妊婦さんが、
いよいよ出産間近となり、出産に備えて釧路市内の病院近くでホテル暮らしをされていました。
道東は僻地医療の厳しい地域で、出産できる医療機関が限られています。
そのため、予定日が近づくと、
このように病院の近くで生活せざるを得ない方も少なくありません。
予定日まではまだ数日ありましたが、この日の治療目的は「陣痛促進」でした。
慣れない土地での生活、先の見えない不安、
そして経済的な負担も含め、妊婦さんのご苦労は決して小さくありません。
少しでもお力になれればという思いで、気合を込めて鍼を行いました。
翌日のお昼にも予約を入れていただいていました。
すると、その日の朝、
「おはようございます。おかげさまで深夜から陣痛が始まっています。
予約はキャンセルさせていただきます」
という連絡が入りました。
これは、治療者として本当に嬉しいキャンセルです。
さらに続いて、
「本日7時に経腟分娩で、合併症もなく無事に出産しました。
破水後のお産も短時間で済みました。
おかげさまで帝王切開もせず、予定日より早い出産となり、
希望通りのお産になりました。ありがとうございました」
という、さらに嬉しいご報告をいただきました。
当院「あんずの種」では、
不妊治療、妊産婦ケア、産後ケアの鍼灸を受けてくださる方が多く、
この分野での学会報告も多数しています。
以下は全日本鍼灸学会での発表要約です。
今回、2008年から2015年までの8年間に、
陣痛促進を目的に来院された妊婦さん53名を対象に、その結果をまとめました。
来院時の妊娠週数は37週から41週で、鍼灸を用いた全身調整に加え、
陣痛促進に関係すると考えられる経穴への施術を行いました。
その結果、経腟分娩率は100%で、帝王切開となった例はありませんでした。
また、陣痛促進剤を使用せずに自然分娩となった方が92%を占め、
平均治療回数は2回、1回の治療で出産に至ったケースも多くみられました。
これらの結果は、全国平均の経腟分娩率と比較しても高い水準です。
以上のことから、鍼灸治療は陣痛促進において、
安全で有用な選択肢の一つになり得ると考えています。
今後も医療機関との連携を大切にしながら、
安心して出産に臨めるサポートを続けていきたいと思います。
過疎化、少子化が進む道東ではありますが、
これからも少しでも
地域の皆さまの「お役に立てる鍼灸院」でありたいと考えています。
そして、この地域がより暮らしやすくなることを、心から願っています。
妊産婦さんの方はお気軽に相談してください。
須藤 隆昭
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