学生時代、ジャズ研(サークル)にいた、辰巳です。
とある新月の晩、噂の店に行ってみました。
閉まっていました。
近所の方に尋ねたところ「マスターひとりでやってるから、週末だけのお店だよ」との事。
電話をかけて確認してから、と思ったのですが電話は無いようです。流石なお店です。
ではリベンジと、新月を待って再び弟子屈へ。
車を駐車場に止め、「今日は開いてたらいいな〜」なんて独り言を言いながら店に近づくと、何やら音楽が耳に届きます。「開いて、る!」と言うか、店のドアが開きっぱなし。流石だ!
おずおずと中に入る。マスターらしき方が「いらっしゃい」と笑顔。早かったのか他にお客さんはいない。
カウンターにほっくりと座る。
「んっ!」席が傾いている、というか床にも傾斜がある。出されたコップの水が斜め。ウ~ン、「まぼろし」と噂の高いジャズバー、流石だ。
珈琲を頼んでから、ゆっくりと音楽に浸る。確かに店内は風変りな様相ではあるが、曲のチョイスはベテランの風格。懐かしいLPレコードが目の前にビッシリと並べられていた。
少しマスターとジャズ論議、もうジャズが好きで好きでたまらない感がビシビシと伝わって来ます。前は釧路市内でお店をされていたとの事。いろいろあって今この地でされているようです。
そのうち常連さんらしき方が入って来て、店内の空気が変わる。「まあまあ」とお二人はお酒を酌み交わしている。スイッチが入ったのか熱く語り始めるマスター。話題は地酒から政治・経済、日本とアメリカとの在り方、弟子屈近郊の魅了などなど、多方面に及んだ。むかし行った新宿の小さな呑み屋を思い出しました。「ジャズとお酒と語らいと」そんな詞が頭に浮かびました。
ところで語るための「声」ですが、東洋医学的には五つに分類されます。「叫ぶ·喋る·歌う·泣く·呻く」です。
この順で肝·心·脾·肺·腎に相当します。
例えば、鼻歌がよく出るような時は「脾」に関係し、泣きやすい時は「肺」の『気』が旺盛になっています。
普段の生活の中で声の状態に注目し、この五行に合わせ見てみるのも興味深いです。
お酒が入っていつもより饒舌になる。
それは気の変化の現れ。
そんな事を考えながら、また道東の魅力を発見した夜でした。
🍀🍀🍀

辰巳栄一

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