お休みをいただいて、インドに行ってきました。
羽田からデリー、そしてペナレスへ。
ガンジス川が流れるペナレスはヒンズー教徒最大の聖地です。
ヒンズー教徒にとってはエルサレムのような地であり、なんとBC1000年にはこの街が形作られ、ずっと途切れることなく祈りが捧げられてきたのです。
ガンジス川は現地ではガンガーと呼ばれ、シヴァ神の住むヒマラヤの氷河が源流です。
この川に身を浸せば罪が消え天国へ行ける、または良い転生があるとと信じられているので、生きてる者は沐浴のために、死した者はその身を流すためにはるばるとこの地へ。
祈りを捧げながら、何度も頭まで水に沈める人びと。
河原の火葬場では薪がうず高く積まれ、次々に遺体が焼かれ、灰をガンジス川に流していく。
インドではガンガーで沐浴すれば、すべての罪やカルマが消えると信じられています。
生と死が混ざり合って、悪と善が溶け合って、川は悠々と流れていきます。
夜になると、ヒンズー教の僧侶が儀式を執り行い、たくさんの花と蝋燭が川に流されて、日本の精霊流しのようでした。
私も次の日の朝、ボートに乗って花と蝋燭を川に流しました。
私が出会った今では会えない大切な人たちのために。
流した蝋燭はいつまでも消えることなく、川面を流れていきました。
ペナレスでは川沿いにあるホテルのテラスで、ただ川を眺めて過ごしていました。
散歩していると、街の至る所に廟があり、様々な神様が祀られています。
朝はどこからか、祈りの声が聴こえてくるのです。
サドゥーという、オレンジ色の服を着た修行者もただ川を眺めて至る所に座っていました。
インドというこの国は深すぎて私がこの国を理解することはできないでしょう。
でもその圧倒的な深さにたじろぎながらも、自分の目でガンガーを感じたかった。
そしてわからないながらも、何か決定的に私の中の何かが変わりました。
自分の中の汚さや弱さを認めると人の汚さや弱さも認められる。
それは許すとかではなく、ただそうなんだと。
全てを飲み込んで流れていくガンガーのように。
須藤加代子
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