おはようございます!
今年もよろしくお願いいたします。
年末年始は実家北広島に帰り、
ゆっくりと過ごすことができました。
年末は直木賞受賞の「熱源」川越宗一著 を読了しました。
あらすじ
樺太(サハリン)で生まれたアイヌ、ヤヨマネクフ。
開拓使たちに故郷を奪われ、集団移住を強いられたのち、
天然痘やコレラの流行で妻や多くの友人たちを亡くした彼は、
やがて山辺安之助と名前を変え、ふたたび樺太に戻ることを志す。
一方、ブロニスワフ・ピウスツキは、リトアニアに生まれた。
ロシアの強烈な同化政策により母語であるポーランド語を話すことも許されなかった彼は、皇帝の暗殺計画に巻き込まれ、
苦役囚として樺太に送られる。
日本人にされそうになったアイヌと、
ロシア人にされそうになったポーランド人。
文明を押し付けられ、それによってアイデンティティを
揺るがされた経験を持つ二人が、樺太で出会い、
自らが守り継ぎたいものの正体に辿り着く。
樺太の厳しい風土やアイヌの風俗が鮮やかに描き出され、
国家や民族、思想を超え、人と人が共に生きる姿が示される。
金田一京助がその半生を『あいぬ物語』としてまとめた山辺安之助の生涯を軸に描かれた、読者の心に「熱」を残さずにはおかない書き下ろし歴史大作。(熱源HPより抜粋)
アイヌは本州から来た日本人によって、
かなり無理を強いられたり、騙されたりした。
そんなことを教科書では習いましたが、
この本を読むと、具体的にどんな風な扱いを受けてきたのかがわかって
心苦しい気持ちになりました。
しかし、アイヌ民族であることを諦めないこと、
滅びゆく民族、と言われながら、今日まで受け継がれてきたのは
アイヌ民族の粘り強さというか、
芯の強さ、いつの時代でも自然を大切にし、共存してきたからなのかな、と思いました。
この小説の中では「熱」を感じる瞬間が数多く描写されています。
主人公の思い人がトンコリを引いた時に、豊かな緑や川の様子が音色から溢れてきた時や、
一度村を出て行ってから、新しくアイヌの居場所を作ったその場所で
村長が熊おくりをする、と言った時など。。
ネタバレになってしまいますが、
後半部分でヤヨマネクフは
「生きるための熱の源は、人だということ。
人によって生じ、遺され、継がれていく。
それが熱だ。」
と言っていたのが印象に残っています。
自分の中の「熱」の部分も大切にしていきたいなと
感じたのでした。
お正月は鶴居の地ビールを両親にプレゼントしました♪