あんずの種の卒業生は個性豊かだ。
最初から技術センスの高い人もいれば、
不器用でも真面目に努力を繰り返し身につける人もいる。
どちらが良いというわけではない。
ある鍼灸師の名人は、
「鍼灸師は不器用な方がいい」と言っている。
それもなんとかく分る。
独立して、すぐ経営センスを発揮する人も、
そうではない人もいる。
センスはすぐに身につくものではないが、
悪戦苦闘して、経験を重ねることで自然とカラダが覚える。
目先のことだけを考えると後で苦労したり、
ビジョンが素晴らしくても今月の家賃の支払いに苦しんだりもする。
種は
じっと土の中で力をたくわえる。
あんずの種で教えているのは、治療技術や経営力ではない。
生きていく力だ。
それさえあれば、冬の寒風も夏の嵐も耐えることができる。
北海道鍼灸専門学校の入学案内の高橋(大道寺)梓が見開きで紹介された。
栖を開業して1年目。まだまだ道のりは長い。
でも僕は彼女が朝早くから毎週、
あんずの種周辺のゴミ拾いをしていたことを知っている。
先輩の背中をいつも追いかけていた姿を知っている。
最初のあんず実技チェックで28点を付けられて涙ぐんだのを知っている。
同じ年に「ケニアボランティア活動と学会発表の両方に挑戦したい」
と言ってきた時の眼差しの光を知っている。
北海道鍼灸専門学校のパンフレットは
あんずの種の待合室にあり、
種が花開くのを見つめている。
須藤 隆昭
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