漢方と聞くと、苦いものとか、難しいものといったイメージを持つものですよね。
実際私も10年程前に症状に合わせて調合してもらった漢方薬を煎じて服用していたことがあるのですが、
見るからにして、それは、木の枝や、木っ端、ごぼうの端くれの様相でして、最初は「30分煮詰めて1日3回飲む」という約束に気が重くなったものです。
煎じて濃い真っ茶色になった漢方薬は、さほど苦くはないのですが、美味しいというわけではありません。
少し続けてから、漢方薬剤師さんから「水あめを足して下さい」と言われました。
それは、飲みやすくするためではなく、水あめも薬効のひとつになるからなのです。
漢方薬は、薬効のある植物をいくつか組み合わせたもので、多くの生薬は、原料を乾かして粉砕するといったシンプルなものです。すべては自然の素材です。
ですので、普段口にしている食べ物にもそのように体の機能を調整しているものはあるのでしょう。
生薬の薬効と使用法は、中国伝統医療の3000年の積み重ねにより、体系立てられたものですので、難しいものと思ってしまうのも当然です。
鍼灸院であり、アロマサロンでもある「あんずの種」は、鍼灸治療では勿論ですが、
アロマトリートメントの手技の中でも経絡に沿って老廃物を流したり、ツボを刺激したりしますし、食事指導などでも中医学を取り入れた養生法をご提案しております。
漢方は、本当は理論的に理解するのは難しいのでしょうが、自然の中にある身近なもので自分の身体に合うものを見つけることが基本になっているとも言えます。
そして、アロマトリートメントで使用している精油も、実は生薬と似ている作用をするものがあるのです!
生薬の桂皮(ケイヒ)はシナモン精油、
陳皮(チンピ)はオレンジ精油、
菊花(キッカ)はカモミール精油
とそれぞれ同種で、使う部位も樹皮、果皮、花と共通しています。
中医学で使用する生薬と西洋のハーブは、植物としての共通点が多く、その性質や効能によってさまざまなな用途に用いられています。
バラは、つぼみが生薬では玫瑰花(マイカイカ)となり、
花びらからは精油や香水、ポプリ、ローズティーができます。
ハッカの葉からは生薬の薄荷、
精油のペパーミント、ハーブティー、メントール成分を利用して冷湿布がつくられます。
生薬は苦い、精油はいい香りというイメージがありますが、原料はどちらも自然の素材であり、
また作られる元の植物も同じであることがわかると、より身体と自然のつながりを感じるものです。
「身体の不調は、その部分だけではなく、心を含めた全体的なもの」
という中医学とアロマテラピーの基本理念が共通していることも自然界の成り立ちからの所以なのかもしれません。
精油を陰陽学説や五行学説で分けることもできますので、生薬を通して改めて精油を知ることにとても興味を覚えました。
あんずの種スタッフ
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