釧路市立美術館にて
「ルーヴル美術館の銅版画展」
を鑑賞しました。
銅版画って、なんぞや?
でも、ルーヴルなんでしょ?
珍しいんでしょ?
いつものことながら知識空っぽ、全くもってゼロのままに歴史ある美術界の扉を軽〜く開けてしまいました。
版画とは思えない精巧な線や柔らかなタッチで施された数々の作品。
ほとんどの作品はモノクロなのですが、
前面に飛び出すように力強く主張してくる人物、
全体にふんわりとした雰囲気を醸し出すもの、
余白の白い部分が引き立つものなど
遠近や陰影の表現法がさまざまです。
ダ・ヴィンチ、ラファエロ、フェルメール、藤田嗣治などの有名な作品もあるのですが、
(それは本当に素晴らしいです!)
そもそもなぜに銅版画が制作されたのかという素朴な疑問を解決したいので調べてみました。
それは、まず私のような知識のない庶民にも広く美術作品に触れられることを当時から考えられていたことと、
価値ある歴史作品を限りなく後世に遺し、学問や研究資料としての保存のためなのです。
絵画などの芸術作品は、当時の背景、風刺、思想、文化などが表現されていますから、さまざまな分野の資料となるのですね。
そしてそれは日本の絵画様式
「浮世絵」にも通じていました。
浮世絵は、江戸から大正時代の生活、流行をテーマにした庶民層を中心に盛り上がった風俗画です。
この世は「憂き世」で嫌なことばかり。
それならウキウキ「浮き世」で浮かれて暮らしたいとの当て字がされたのが由来だそうです。
どうりで美人画や役者が題材のものが多いですよね。
浮世絵は、木版画ですが、
絵師・彫師・摺師の職人での分業制作なのは、銅版画と同じようです。
また別に浮世絵は、葛飾北斎、歌川広重、菱川師宣などの有名な作品は版画ではなく、肉筆画です。
木版画の浮世絵は、印刷物としても長く用いられ、また浮世絵の技術は、海外へも影響を与えてきましたよね。
鑑賞や美術史のみならず、海を越え、時代を継ぐ芸術作品、歴史的建造物などは現代を支えているものとして、
長く遺していく技術もますます発展し、人材育成もされていると聞きます。
ひとつ作品をさまざまな観点から考察し、想像できることは現代人の醍醐味と言えるのでしょう。
実際にルーヴル美術館の貴重な作品なので、是非足を運んでみてくださいね。
高橋千香子
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