皆さま こんばんは。
軽い風邪をひいた高橋です。
本当に大したことなく済んだので
ひと安心しましたけれど
倦怠感があり、思考が停止しました。
私が今何も考えなくても
何の影響もないのだと思いました。
頭を休ませるにはいい時間でした。
作家の川上弘美さんのエッセイ
「わたしの好きな季語」より
「春の風邪」が
季語であることを知りました。
「春の風邪」というと
冬にひく風邪とは違い、
熱もさほど上がらず、
風邪症状も酷くはないものですが、
寒く長い冬を越して
暖かい春まであともう少しという時季の
気の緩みや緊張の糸が切れたような
症状のように感じます。
意外と身にこたえるものですよね。
「春の風邪」を季語にした俳句を揃えてみました。
鬱々と心に春の風邪を引き
今橋眞理子
春の風邪シルクの彩にうづもれて
林 良子
酔心地目眩心地や春の風邪
水見 嘉男
春の風邪時間の外にゐる感じ
後藤 洋子
こちらの俳句は、
早々に春の陽気に翻弄され
脳の機能を乗っ取られてしまった
まさに私の風邪の症状にピッタリの
見事な俳句と言えます。
素晴らしいです!
このように
「春の風邪」のイメージといいますと
なんともぼや〜としたような
繊細なような、はたまた鈍感なような
いつもはありえない幻想を見たりする
イメージもあります。
春の風邪鼻声といふ艶なもの
水見 嘉男
まどろみにかの人と逢う春の風邪
藤井 基史
初恋の誰にもありし春の風邪
木村 みかん
高浜虚子の歳時記には、
「春の風邪は、なんとなく艶っぽい」
と書いているそうです。
「春の風邪」のぼんやりとした
思考停止状態時に起こるかもしれない
淡い幻想的な俳句ですよね。
まさに期間限定といった希少な感情の一瞬を
切り取った幻の俳句だと思います!
とても素敵ですね。
こんな風邪ならまたひいてみたいなんて
思うのはちょっと待って下さい。
治ってもなほつてもなほ春の風邪
稲畑 汀子
気を抜けば詐欺師のような春の風邪
北村 きみ子
玩具箱ひっくり返し春の風邪
北 悠久
春の風邪あなどりあそぶ女かな
三宅 清三郎
春の風邪を軽く見てはいけませんね。
ゆっくり心身を休めましょう。
私は一度思考が停止したお陰で
まるで憑き物でも落ちたかのように
スッキリ目覚めて身体が軽くなりました!
風邪はひきたくないので
たまにタイミングを見計らって
強制的に思考回路を停止することを
おすすめします。
同じ季語を集めた俳句を味わうと
意表をつく観点の違いに
思わず唸ってしまいます!
実際に俳句を創作できたらもっと楽しいのでしょうね。
でも幻想や空想を思い浮べられるように
ちょっと脳内に風邪ではなく、
風を吹かせてみたいです。
高橋千香子
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