「今日は体の疲れはあまりないので、
リラックスしに来ました!」
というお客様のお言葉に
私はハッとさせられました。
アロマでリラックスする。
当然の当たり前のことに聞こえますが、これこそがセラピストとしての腕の見せどころであり、試される究極のところではないだろうか。
今日はどこが気になりますか?
お辛いところはどの辺りですか?
このようにお客様にお身体の状態をお聞きすることは、私たちにとっても
どんなトリートメントをご提供するのか、
どんなアプローチをしていくのか、
といった事前に大まかなプランを立てていくための大事な要素となります。
ですが、それだけに頼るわけにはいきません。
お客様がご自覚されている症状以外にも
お客様のお身体に触れてみると
別のところにも凝りや冷えやむくみが
存在することがあります。
お身体の状態を見ながら、
ひとつの症状にこだわらず全体的にまとめるようなプランを時間内に組み立てながら施術します。
凝りやお疲れを取ることを第一の目的としてしまい、
凝りのある部位の施術に過度の時間をかけたりしては
逆にお身体にご負担をかけてしまいます。
アロマトリートメントの醍醐味である
「リラックスしながら疲れが癒される」
ことを根底にその方にあった施術を
ご提供できることが理想なのです。
こちらのお客様がご希望する
リラックスを目的としたアロマトリートメントというのは、
どこの部分の疲れを取りたいなどといった明確な目的に対してよりもやはり捉え所が難しいものです。
ご提案に対してまず私が考えたのは、
部位ごとの始めと終わりや
手技と手技の間に行うエフルラージュという
表層の皮膚や筋肉の鎮静を目的とした手技をとにかく丁寧に行うことでした。
手の触れ方、離し方、力の入れ方をなだらかで、かつ確かな存在感が残るエフルラージュを行うと、
その無理のない流れに身を任せ、
手の動きと圧加減ともに呼吸が合い、
ゆっくりと肺が膨らみます。
自分が施術を受けている感覚を思い起こし、
お客様と同じ感覚をリアルに持ちながら
その一瞬を創っていくことが理想です。
やはり凝りや張りは見つかるものですが、
でもそこにあまり固執せず、
無理に取ろうとはせず、
大きな流れのあるトリートメントの中のひとつの部分として調和をとっていく、
そんな壮大なイメージを施術をしながら広げていきますが、
その全てを具現化することは、
残念ながら私にとってはまだまだ夢の途中の段階なのです。
それでも指先、手のひらに集中しつつも
体全体を使うことを忘れないことも大事ですし、
だからといって力んだり、あまりに気持ちを入れ過ぎても良くないので、
それぞれのバランスをとりながら、
私自身も心地よい時間になるように心がけます。
リラックスが目的のアロマという観点から
色々なことを学んだ時間でした。
しかし私よりもさらに真剣にトリートメントと向き合っていたのはお客様でした。
「小指がいい仕事してました!」
とどの指を使っているのか私自身にも把握できていないことに気づいて下さっているのです!
とても有り難いご感想でした。
受けているお客様の方が繊細に感じ取って頂いていることは当然のことですよね。
何を目的とされているのかはその方それぞれですし、
もしかするとその方にも気付いていないお身体からの声があるかもしれません。
これからもっとご希望に応えられる、超えられるようなアロマをプロデュースできるよう模索していきたいです。
高橋千香子
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